
セキセイインコを飼い始めた男の末路
「もう人間はいいや…」
婚活に疲れ、心を閉ざした一人の男がたどり着いたのは、一羽のセキセイインコとの静かな生活だった。
婚活をやめた理由
都内在住、42歳、独身。
会社と家を往復するだけの毎日。婚活アプリでは既読スルー、合コンでは「いい人なんだけど」で終わる日々。
「条件じゃなくて中身を見てほしい」と思っても、女性は年収や容姿、年齢でしか見てくれない。
そんな現実に疲れ果て、「もう恋愛も結婚もいい」と婚活をやめた。
セキセイインコとの出会い
ある日、ペットショップでふと目に入ったのが、青くてつぶらな瞳のセキセイインコ。
指を近づけると、ちょん、と止まる。まるで「大丈夫だよ」と言っているようだった。
その日から、彼の生活は変わった。
「おかえり」と言ってくれるのは君だけだった
インコに名前をつけた。「ソラ」。
朝、目覚まし代わりにさえずりで起こしてくれる。
夜、「ただいま」と言うと、「おかえり」と返してくれる(ように聞こえる)。
ソラは言葉を覚えた。「好きだよ」「ヨシヨシして」「ごはんちょうだい」…。
どれも、男が日々話しかけた言葉だった。
婚活再開?いや、もう必要ない。
同僚に「また婚活しないの?」と聞かれても、
「俺にはもうソラがいるから」
と笑って答えるようになった。
ソラは裏切らない。
嘘をつかない。
条件を突きつけてこない。
ただ、寄り添ってくれる。
そして誰もいなくなった部屋に…
65歳の冬、男はひっそりと亡くなった。
気づいたのは、毎朝ベランダで聞こえていたソラの鳴き声が止まったことを不審に思った隣人。
部屋の中では、ソラが空のケージの中でじっとしていた。
人間が苦手だった男の、静かな最期。
けれど、きっと寂しくはなかった。
彼にとっての「家族」は、最初から最後まで、あの小さなセキセイインコだけだったのだから。
意外とあるある?“人より鳥”な人たち
- ペットと過ごす方が心が安らぐ
- 婚活よりもペットの餌やりの方が大切
- 人間関係より、鳥との信頼関係の方がずっと簡単
- 鳥がしゃべると、本当に心が救われる
まとめ
「孤独死」と聞けば悲しいかもしれない。でも、本人にとっては違ったのかもしれない。
誰かにとっての“家族”は、血縁だけじゃない。
小さな羽と、さえずりが人生を彩ることもある。