セキセイインコの卵量産対策|命を守るためにできること

セキセイインコのメスが繰り返し卵を産む「卵の量産」は、可愛らしい日常の裏に深刻なリスクをはらんでいます。卵詰まり、卵管の病気、慢性的なカルシウム不足……。放っておくと命に関わる事態に発展することもあります。

我が家のインコが教えてくれた卵量産の怖さ

かつて我が家にいたメスのセキセイインコ「ルナ」は、2歳を過ぎたあたりから頻繁に卵を産むようになりました。最初は「自然なこと」と思っていたのですが、月に4個、6個、時には10個近くの卵を産むようになり、明らかに異常でした。

獣医さんに連れて行くと、「過剰な発情による卵管の負担」で、卵管に腫瘍ができているとの診断。手術はできず、残念ながらルナはわずか3歳で虹の橋を渡りました。

卵量産によるリスクとは?

  • 卵詰まり(卵塞):卵が卵管に詰まり、排出できなくなる状態。放置すると命に関わります。
  • 卵管腫瘍・腹水:ホルモンの異常で卵管に腫瘍ができ、内臓を圧迫。手遅れになると治療が困難。
  • カルシウム不足:卵を作るために骨からカルシウムを動員するため、栄養バランスが崩れます。

セキセイインコの卵量産対策

  • 発情を抑える環境作り:巣箱・暗所・鏡など発情を促すアイテムは撤去しましょう。
  • 日照時間の管理:日光やライトに当たる時間を「10時間以内」に制限することで、繁殖スイッチを抑えられます。
  • 発情対象との接触制限:気に入った人やおもちゃが発情の原因になることも。距離感を調整しましょう。
  • 食事管理:高タンパク食は発情を促すため、普段はシード中心にし、繁殖期向けのペレットは避けましょう。
  • 獣医の相談とホルモン治療:必要であればホルモン注射や薬による治療も検討を。

あるあるエピソード:卵が“宝物”になったココちゃん

横浜在住の中村さん(仮名)は、1羽のメスインコ「ココ」と暮らしていました。ココはお気に入りの鏡を見つめては甘い声で鳴き、毎月のように卵を産んでいました。ある日、いつもより元気がなく、病院に連れて行くと卵詰まりを起こしていたのです。

先生の処置でなんとか助かったココ。それ以来、中村さんは鏡とお気に入りの木片を撤去し、日照時間をタイマーで管理するようになりました。「ココにまた会いたいから」と涙ながらに語った中村さんの姿は、卵量産の恐ろしさと、それに立ち向かう愛情の深さを教えてくれます。

まとめ

セキセイインコの卵量産は“命の灯”を削る行為でもあります。「自然なことだから」と放置せず、環境・食事・行動に配慮した対策をとることで、大切な家族の命を守ることができます。

「卵を産んだから元気」ではなく、「産ませない工夫」が愛情です。あなたの小さな選択が、インコの未来を変えます。