オカメインコは敵意むき出し、セキセイインコは好意むき出し。この差って何?
我が家には、愛らしい二羽のインコがいます。一羽は頭の冠羽がチャームポイントのオカメインコ、もう一羽はカラフルな羽が美しいセキセイインコです。
どちらのインコにも、私は愛情たっぷりに接してきたつもりです。毎日新鮮なごはんを用意し、ケージをピカピカに掃除し、優しい声で話しかけ、飽きずに遊びに誘ってきました。しかし、どういうわけか、彼らの私に対する態度は、まるで真逆なのです。
オカメインコのピーちゃんは、私を見ると決まって敵意むき出し。私がケージに近づくだけで、警戒心たっぷりに「シャーーッ!」と威嚇してきたり、時には小さなクチバシで私の指をガブリ!と噛みついてきたりします。もちろん、本気で噛んでいるわけではないとわかっていますが、それでも「また怒られちゃった…」と、ちょっとしょんぼりしてしまいます。
一方、セキセイインコのパルちゃんは、まさに好意むき出し。私が部屋に顔を出すと、ケージの中でピョンピョン跳ねて喜び、扉を開けるや否や、嬉しそうに私の肩や頭に飛んで来ます。指を差し出せば、ちょこんと乗ってきて甘えるようにクチバシをスリスリ。その愛らしさに、私は毎日メロメロです。
この対照的な態度の差は一体何なのだろう?と、いつも不思議に思っていました。同じように愛情を注いでいるのに、なぜこんなにも反応が違うのか。その答えは、彼らの性格にありました。
ピーちゃん、つまりオカメインコは、実は最強のビビりで怖がりな性格なんです。ちょっとした物音にも敏感に反応し、見慣れないものがケージのそばにあるだけで、警戒心マックス。私の大きな手や顔も、彼にとっては脅威に映ってしまうのかもしれません。だから、彼の威嚇や攻撃は、敵意というよりも、自己防衛のための「これ以上近づかないで!」というサインなんですね。
逆に、パルちゃん、セキセイインコは好奇心旺盛なインコです。新しいものや初めての体験に臆することなく、いつもキラキラした目で興味津々に接してくれます。私に対しても、きっと「この大きな人間は何をするんだろう?」という好奇心と、親愛の情が混じり合って、あんなにも喜んで近づいてきてくれるのでしょう。
つまり、オカメインコからは「敵意むき出し」に見える行動も、彼なりの精一杯の「怖いよ!」というアピール。セキセイインコからは「好意むき出し」に見える行動も、彼なりの「大好きだよ!」という表現。どちらも、私にとってはかけがえのない大切な家族であることに変わりはありません。
インコあるあるエピソード:それぞれの個性と愛し方
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ある日の夕方、私はソファでくつろぎながら、ピーちゃんとパルちゃんの様子を眺めていました。
パルちゃんは、ケージの扉を開けた途端、私の指に飛び乗ってきて、耳元で「ピヨピヨ!」とおしゃべりしています。そのまま私の肩に移動し、頭をポリポリ掻いてあげると、気持ちよさそうに目を細めています。その姿はまるで、甘えん坊の子猫のようです。
一方、ピーちゃんはケージの止まり木の一番奥で、警戒態勢。私が目を合わせようとすると、サッと顔を背けて、尾羽をフリフリ。まるで「見るな!」と言っているかのようです。それでも、私が優しく「ピーちゃん、おやつだよ」と声をかけ、小さくカットしたリンゴをケージの入り口に置くと、恐る恐る、しかし素早くリンゴをつまみ、すぐに奥の止まり木へと戻っていきました。その素早さは、まるでプロのスナイパーです。
別の日、私はインコたちのケージを掃除するため、彼らを一時的に別の部屋に移動させようとしました。
パルちゃんは、私が手を差し伸べるや否や、何の迷いもなく私の指に飛び乗ってきます。「さあ、どこへでも連れてって!」と言わんばかりの信頼ぶりです。そして、移動先の部屋でもすぐに慣れて、楽しそうに飛び回っていました。
しかし、ピーちゃんは違いました。私がケージの中に手を入れると、全身の羽を逆立てて威嚇し、クチバシを大きく開けて「シャーーッ!」と叫びます。捕まえようとすると、必死にケージの中を逃げ回り、まるで命がけの鬼ごっこ。最終的には、私がタオルでそっと包み込むようにして移動させました。その時のピーちゃんの恨めしそうな目ときたら!まるで「私をこんな目に遭わせるとは…」と言っているかのようでした。こんな風に、彼らの個性は日々の小さな出来事の中で光っています。オカメインコのビビりっぷりも、セキセイインコの好奇心旺盛な甘えん坊ぶりも、どちらも彼らのかけがえのない魅力です。インコたちとの生活は、毎日が発見と驚きの連続。彼らの個性を受け入れ、それぞれの愛し方を見つけていくことが、私たち飼い主の喜びでもあります。